阪急2000系、2300系発表

https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/ff140cb722dfcbc0d5f8628afd6fb8e24e4ae61a.pdf

阪急電鉄が新型車両2000系、2300系の導入を発表。いやリリースのタイトルでは2300系の方が前なので、京都線特急用2300系のほうが主役か。

2300系は以前から構想のあった指定席が導入され、それが気になるところ。

今の特急車9300系は最初の編成の登場がもう20年前。引退には早いがリニューアル工事はあってもいい時期。

2300系は2024年度には1編成のみとの報道もあったので、一気に製造して9300系を置き換えるものではないのか?万博までに1編成くらい新車がないとカッコ悪い的な意図も感じる。あるいはまず指定席用を一斉につくって9300系の1両を差し替えて指定席サービスを垂直立ち上げして、残りの号車はゆっくり何年かかけて置き換えていくのか?

9300系も何年かかけて導入されたので阪急が2300系を一気に全部製造するとは思えないが、かといってゆっくりな導入では指定席が少なすぎて利用しにくいものとなる。指定席用だけの先行導入はあるかもしれない。

2300系の導入意図が指定席導入と9300系の格下げ玉突きによる老朽化した3300系や5300系の置き換えを兼ねているのか、9300系はまだ特急用として使い、一部に残るロングシート特急をなくすこととか今後必要になるであろうリニューアル工事中の車両不足対策を兼ねたものなのか。それによって製造数が変わってくる。

神宝線用の2000系は9000、1000と続いた進化の延長だが、2300系に話題を持っていかれて地味になってしまった。

【2023/11/25追記】その後指定席にはPRiVACEという愛称がつき、新車の2300系だけでなく9300系編成にも導入と発表された。乗りものニュースによると、9300系での指定席は暫定的に2300系指定席車が編成され、2300系の残り(一般の特急車両)が増備されるとそちらに組み替えられるとのこと。上記の予想通り。

trafficnews.jp

こうなると2300系が揃った後の9300系のゆくえが気になる。抜いた1両を戻して8両編成で使うとなると、ロングシート化したとしても電動車比率が3M5Tと低いため堺筋線で使えない可能性がある。地下では前に故障した列車がいた場合、それを押し上げるパワーが求められる。(寸法的には問題ないのだが)用途の限られる8両編成が大量に発生しても扱いにくいだろうし、だったら指定席抜いた7両で使うほうがよいのかもしれない。(現状7両編成には老朽車が多い)

乗継割引終了と北陸新幹線敦賀開業時の運賃・料金申請

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新幹線と在来線を乗り継ぐ際に在来線側の特急料金(急行料金もだけどもう定期列車がない)が半額になる乗継割引が、このところ段階的に縮小していたが来春完全に終了。

運賃や料金は遠距離逓減といって距離が長いほどキロあたりの価格が安いが、特急料金や急行料金は1つの列車につき計算し、乗り換えると打ち切り計算のため(例外はいくつかある)新幹線と在来線の乗り継ぎの場合は新幹線と在来線の差以上に高くなってしまう。そのため在来線側を半額にして調整するというものである。

コロナ禍での減収(このところ回復傾向とはいえ、2018〜2019年ごろの100%にはなかなかならない)を埋めるため、基本の運賃はなんとか値上げせず耐えるにしても特急料金などのほうに手が入り、割引の縮小や廃止などが続いている。ドル箱の特急や新幹線で増収をはかり、利用人数は90%でも売り上げは100%に戻そうということだろうか。

EXやe5489などの割引を利用することで乗継割引の利用がなくてもそれ以上に安くなることもあったがこのたびそれらもかなり手が加わっている。

あと今回北陸新幹線敦賀開業時の運賃・料金が発表された。

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興味のあった敦賀接続時の在来線も含めた料金体系は若干割り引いて合算、指定席料金の二重取りはなし、というところ。指定席二重取りなしくらいかなと思ってたのでやや予想よりよかったが、(大阪側から見れば)新幹線の効果のない越前たけふ、福井は割高感解消のため調整が入ると思ったが特になく残念。

年末年始ののぞみ全車指定席化

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年末年始とはいえその期間の東海道・山陽新幹線の「のぞみ」が全車指定席になる。

20年前の2003年秋のダイヤ改正までは「のぞみ」は全車指定席だったが当時は最大毎時3本までで、主力はあくまで「ひかり」、「のぞみ」は輸送力を稼ぐ存在ではなかった。

今は「のぞみ」は最大毎時12本、輸送力を稼ぐ中心である。そのため全車指定席にはしずらく、自由席で立ち客を乗せることも役割となる。

全車指定席でも立ち客を乗せることは可能で、東北、北陸新幹線では全車指定席列車は満席の場合は立席特急券を発行している。また今後の年末年始の「のぞみ」は全車指定席の場合は自由席特急券でデッキや通路に立てる。

座れないという点では立席特急券も自由席特急券も同じようなものだが異なる点もあり、立席特急券は列車や号車が指定されており、性質的には指定席特急券に似てるが自由席特急券は同じ方面なら何号でもいいという違いがある。あとの便のほうが楽に立てそうならあとの便にすることもできる。

全車指定の列車が各方面に毎時1,2本の東北、北陸なら立席特急券でよくても、毎時12本の東海道・山陽には向いてないわけである。

この措置でどんな影響があるかといえば、混雑のピーク時の新横浜〜名古屋間は意外と影響はなさそう。というのも自由席特急券持ちで座れない人が多くて自由席の1〜3号車から溢れて指定席の号車に立つ人も多く、1〜3号車が指定席になったところであまり変わらないわけである。

むしろ早朝であるとか、新大阪発着の東海道新幹線の京都〜新大阪間、あるいは山陽新幹線の小倉〜博多間など、指定席でも空席がある区間において、自由席特急券持ちの立ち客は座ってはダメという運用がトラブルのもととなる。指定席がガラガラなのに通路に立ち客が多く、次に京都に停車して乗り込んでくる人がなかなか席にたどりつけないなんてこともありえる。

では立ち客も、次の駅で指定席取ってるお客さんが乗ってくるまでは座っててもいいです、と言うかといえばあまりおおっぴらにそういうわけにもいかないだろう。今回のリリースでも座る場合は差額が必要とある。しかし繁忙期に車内を巡回してきっちり徴収できるとは思えないし、上記のようにアンバランスが生じたら座らせざるを得ない状況もありえる。

自由席特急券で指定席の空席を利用できるのはごく限られた場合でしか例はない。*1どういう運用にするのやら。公平性も大事であるが席が空いてるのに通路が埋まって乗り降りに手間取って遅延なんてことになっても何やってんだって話になる。この年末年始はその落とし所を探るテストの可能性もありそう。結果によって自由席や指定席の制度改定に切り込んで、東海道・山陽新幹線の座席のあり方が変わるかもしれない。

 

*1:朝ラッシュ時上りの新横浜東京間や、九州新幹線全通前の小倉博多間の下りで例がある(あった)

北陸新幹線 敦賀延伸概要発表

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2014年8月末に2015年3月開業の北陸新幹線金沢開業の概要が発表されてた前例もあり、2024年3月の敦賀開業の発表もそろそろかと、盆明け以降毎日14時にはJR西日本のサイトの更新をチェックしていた。

本日概要発表があり、3月16日の開業日と在来線特急の接続も含む運行概要が発表された。

もともとの国交相の想定(10年以上前なので当然コロナ禍の影響は織り込まれていない)では敦賀〜金沢間は46往復程度だったが、今回の発表はやや少ない計40.5往復となった。

事前の個人的な予想としては、この延伸により2〜3割利用が増えるだろうから、「サンダーバード」は1時間に片道2本が基本として、ピーク時には1時間に片道3本の合計32〜35往復程度が定期列車として運転されるだろうと読んでいた。新幹線側の輸送力は余裕あっても在来線側がボトルネックになるからある程度本数を増やさないと対応できないはずと思った。

2〜3割の増加とは今回と類似の条件である九州新幹線新八代開業時(2004年)や昨年の西九州新幹線武雄温泉開業での利用状況からの予想である。西九州新幹線はコロナ前の在来線「かもめ」とほぼ同程度の利用だが、他の在来線は80%程度にしか回復していないのでこれでも実質は増えているわけである。

ところが本日発表の2024年3月16日以降の「サンダーバード」の本数は25往復。すべて「つるぎ」接続で「はくたか」「かがやき」接続なし。これはコロナ禍で臨時列車扱いになった列車が定期復活するだけで実質的には現状維持である。

うーん、これで運び切れるのか。「サンダーバード」は普段9両編成なので、12両編成で走る機会は増えそうだが、今も多客時には12両になってるくらいなのでピーク時には臨時列車を多数出す前提ならいいけど、現状のダイヤでは臨時列車はあまり多くないので不安が残る。短い区間なので混雑時には立たせりゃいいやくらいに思ってる?

一方米原名古屋方面の「しらさぎ」も早朝深夜の1往復以外は現状維持。こちらは需要の多くが金沢周りに移行するから名古屋発着だけ残し、かつての「加越」の流れである米原発着は廃止もあるかもと思っていた。こちらは本数が維持な分、両数は減るかも。

今回開通の金沢〜敦賀間は対首都圏の「かがやき」「はくたか」と対関西・東海接続の「つるぎ」と(今もかなりそうだけど)はっきり役割分担された。大阪〜敦賀間の「サンダーバード」は湖西線にて比良山の強風の影響を受けやすく、たびたび米原経由の迂回運転となる。その際に「つるぎ」は接続を待ってくれるのだろうか。そこまでの遅れでなくとも敦賀の乗り換えに時間がかかり新幹線の発車が遅れることはよくあるだろうから、ダイヤが過密な東京〜大宮に影響を及ぼさないために新幹線の系統を分離するのはわかる。旅客案内上も北陸側の各駅で「東京方面に行きたい方は『かがやき』か『はくたか』に乗ってください。関西や名古屋方面行きたい方は『つるぎ』に乗ってください」と言い切れるほうがやりやすいだろう。券売機やWeb予約のUIも単純化しやすいかもしれない。

阪急のなにわ筋線運行計画を考える

www.sankei.com

阪急のなにわ筋線乗り入れについてまた記事が出た。今回は産経発だがその後各社後追い報道が出ており、現時点で阪急にこのような乗り入れ意向があるのは事実であろう。

阪急新大阪から十三を経由してなにわ筋線直通は急行(JR乗り入れとしたらそこでは快速だが)が毎時6本で、南海、JRどっちのルートもあるとのこと。

一方で日経はこんな記事が。

www.nikkei.com

この日経の記事は後追いだけあって冷静(?)で、JR乗り入れやその他のことも確定したわけではないとなっている。阪急の広報から決まったことはまだありませんので、と言われたのかも。

これまでも阪急のなにわ筋連絡線や新大阪連絡線についてはたびたび記事になっている。阪急の狭軌車両は南海車ベースで管理も南海に委託するというのは初出の情報ではない。今回も新情報は少ないのだがその少ないながら重要なことは「阪急ルートは急行(JRでは快速)中心の運行となる」ということ。

また春頃こんな記事があった。

www.sankei.com

この記事には「大阪―新大阪間はJRの路線を使用させてもらう方向で話し合いを進めている。特急を走らせる計画だ」とある。

このことから大阪(地下ホーム)から新大阪まで特急(はるか、ラピート)はJRルートで、急行が阪急ルートと分担するのだろう。

特急は1分1秒を急ぐからロスのないJRルート、一方で急行は空港需要だけでなく短距離の地域需要もあるので十三経由で阪急各路線と難波、堺などの需要、あるいは阪急各線から新大阪への需要にこたえることになるのだろう。1時間に6本なら十三で阪急各線との接続も良いので利用しやすい。もしそうなら南海ルート4本、JRルート2本でJRルートは大阪駅折り返しも入って現行通りの快速4本になるのだろうか。

1つ気になるのは車両使用料の相殺のために「南海車ベースの阪急車両」が登場するのは報道通りあるとして、もしJR快速も阪急に乗り入れるなら「JR車ベースの阪急車両」も必要なのではないだろうか。阪和線は(特急以外は)現状223系または225系で統一されており、今後のホームドアの普及を考えると4ドア車は入れたくないはず。さまざまなドア配置に対応したホームドアもあるけど、開閉速度やコストの問題もあるからどの駅にも入れるわけにはいかないだろう。

また運賃や特急料金も新大阪側はJRルートと阪急ルート、関西空港側ではJRルートと南海ルートで差がつかないように調整しないと安い方しか利用されない。特に運賃面はそれが決まらないことには収入が読めず投資もできないので、実際はあらかた決まってるんだろうけど。

まあそれ以前に「本当に2031年に阪急ルートが間に合うのか」というのが最大の問題。なにわ筋線本体は大阪駅が今年すでにできており、JR難波もとっくの昔にできている。それに対し阪急ルートはまだ環境アセスメント、住民への説明なども何もしてないわけで。今後2024年問題もあり突貫工事もできない。既存路線や用地の地下を通るので用地買収はあまり苦労しないかもしれないが工事はどうするんだろう。

【2023/12/17追記】

その後2023/12/12付で日経からJRも阪急新大阪乗り入れの報道があった。

www.nikkei.com

SNSでは結構話題になって驚いている人もいたけど、すべて既報の範囲で目新しい情報は特になかった。夏の上記報道の信憑性(と阪急の本気度?)が少し上がった程度。

なにわ筋線も関空アクセス需要と阪和線や南海沿線需要だけでは採算が厳しいので阪急沿線から中之島や西本町への需要も取り込まないといけないということだろう。

 

Apple Pay ICOCA登場

今年登場との予告はあったものの具体的な日時は予告されていなかったiOSにおけるApple Pay版ICOCA(モバイルICOCAという名称ではない)が本日朝いきなり登場した。

朝早速インストールと思ったらすでにAndroid版を入れていたためiPhoneに入れることができなかった。1つのWESTER IDにつきICOCAは1つの制約があるらしい。

帰ってからAndorid上で機種変更の操作をし、続いてiPhone上で受け取りの操作をすることですんなりと移行(残高はもともとなかったけど)できた。紐づいているクレジットカード(J-WESTカード)の情報もそのまま移行されていた。

じっくり見たわけではないけどアプリの操作性や機能はAndroidApple版もほぼ同じと思われる。

Apple Pay版に限らずAndroid版も含めて、先輩のSuicaアプリと比べて機能的にはすっきりしており、使い勝手はICOCAのほうが良いのかもしれないけど、特急のチケットレス利用時やポイント管理ではWESTERアプリも別途必要で、ICOCAアプリ1つでなんでもできるというわけではない。このへんは統合してMaaSアプリ化したほうがいいと思うけど。

このiPhoneにはSuicaも入っており、今後Suicaを消化したらICOCAメインで行くかどうか。J-WESTのチャージ時のポイントが今はVIEWカードからSuicaへのそれと同じ1.5%なので常用の座をICOCAにしてもよいと思う。

モバイルICOCA登場とJ-WESTカードリニューアル

www.westjr.co.jp

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ついに関西人念願のモバイルICOCAが発表された。

とはいえ長年モバイルSuicaApple Pay版Suicaも含む)をVIEWカードからのチャージ(1.5%ポイントがつく)で利用してきた者としてはモバイルICOCAでどれだけポイントがつくのかのほうに関心があり、「まあ0.5%、最初だけキャンペーン的に1.0%くらいかな。だったら現状通りSuicaのままでええな。」とこれまでは考えていた。

もう少し掘り下げると今のクレジットカード界ではコンビニで5%ポイント還元というカード(三井住友カード)もあり、VIEWカードからSuicaにチャージするときの1.5%というポイントレートも悪くはないのだがそれが霞んで見えるような状況がある。ここでJ-WESTカードからのチャージで0.5%とかのレートでモバイルICOCAが出たところで常用はできんだろうな、という想定である。

ところがJ-WESTからのチャージで1.5%相当とのこと。(ゴールドなら3%)

これはJR西日本頑張りました。みくびっててごめん(笑)いや、昨年末にJ-WESTカードつくったのはもしかしたらそういうこともあるかもという期待も少しはあったけど。

今回の発表ではモバイルICOCAよりJ-WESTカードやWESTERポイントのほうがうれしいことが多かった。駅ビルのショッピングセンターでのポイント付与率も向上してるしJ-WESTカードの価値がかなり上がった感じ。J-WESTカードはリニューアルされ、最近よくある表面には番号を記載しないスタイルでデザインも最近よくあるスタイリッシュなもの。タッチ決済も可能に。変更も可能とのことなので手間や手数料次第がかからなければ申し込んでみよう。

Apple Pay版のICOCAが今回は発表されなかったけどまあそのうち出るだろうし、そうなれば上記のVIEWカードはいらなくなるな。無料で使えるうちは残しておいていいけど。