年末年始ののぞみ全車指定席化

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年末年始とはいえその期間の東海道・山陽新幹線の「のぞみ」が全車指定席になる。

20年前の2003年秋のダイヤ改正までは「のぞみ」は全車指定席だったが当時は最大毎時3本までで、主力はあくまで「ひかり」、「のぞみ」は輸送力を稼ぐ存在ではなかった。

今は「のぞみ」は最大毎時12本、輸送力を稼ぐ中心である。そのため全車指定席にはしずらく、自由席で立ち客を乗せることも役割となる。

全車指定席でも立ち客を乗せることは可能で、東北、北陸新幹線では全車指定席列車は満席の場合は立席特急券を発行している。また今後の年末年始の「のぞみ」は全車指定席の場合は自由席特急券でデッキや通路に立てる。

座れないという点では立席特急券も自由席特急券も同じようなものだが異なる点もあり、立席特急券は列車や号車が指定されており、性質的には指定席特急券に似てるが自由席特急券は同じ方面なら何号でもいいという違いがある。あとの便のほうが楽に立てそうならあとの便にすることもできる。

全車指定の列車が各方面に毎時1,2本の東北、北陸なら立席特急券でよくても、毎時12本の東海道・山陽には向いてないわけである。

この措置でどんな影響があるかといえば、混雑のピーク時の新横浜〜名古屋間は意外と影響はなさそう。というのも自由席特急券持ちで座れない人が多くて自由席の1〜3号車から溢れて指定席の号車に立つ人も多く、1〜3号車が指定席になったところであまり変わらないわけである。

むしろ早朝であるとか、新大阪発着の東海道新幹線の京都〜新大阪間、あるいは山陽新幹線の小倉〜博多間など、指定席でも空席がある区間において、自由席特急券持ちの立ち客は座ってはダメという運用がトラブルのもととなる。指定席がガラガラなのに通路に立ち客が多く、次に京都に停車して乗り込んでくる人がなかなか席にたどりつけないなんてこともありえる。

では立ち客も、次の駅で指定席取ってるお客さんが乗ってくるまでは座っててもいいです、と言うかといえばあまりおおっぴらにそういうわけにもいかないだろう。今回のリリースでも座る場合は差額が必要とある。しかし繁忙期に車内を巡回してきっちり徴収できるとは思えないし、上記のようにアンバランスが生じたら座らせざるを得ない状況もありえる。

自由席特急券で指定席の空席を利用できるのはごく限られた場合でしか例はない。*1どういう運用にするのやら。公平性も大事であるが席が空いてるのに通路が埋まって乗り降りに手間取って遅延なんてことになっても何やってんだって話になる。この年末年始はその落とし所を探るテストの可能性もありそう。結果によって自由席や指定席の制度改定に切り込んで、東海道・山陽新幹線の座席のあり方が変わるかもしれない。

 

*1:朝ラッシュ時上りの新横浜東京間や、九州新幹線全通前の小倉博多間の下りで例がある(あった)