阪急のなにわ筋線運行計画を考える

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阪急のなにわ筋線乗り入れについてまた記事が出た。今回は産経発だがその後各社後追い報道が出ており、現時点で阪急にこのような乗り入れ意向があるのは事実であろう。

阪急新大阪から十三を経由してなにわ筋線直通は急行(JR乗り入れとしたらそこでは快速だが)が毎時6本で、南海、JRどっちのルートもあるとのこと。

一方で日経はこんな記事が。

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この日経の記事は後追いだけあって冷静(?)で、JR乗り入れやその他のことも確定したわけではないとなっている。阪急の広報から決まったことはまだありませんので、と言われたのかも。

これまでも阪急のなにわ筋連絡線や新大阪連絡線についてはたびたび記事になっている。阪急の狭軌車両は南海車ベースで管理も南海に委託するというのは初出の情報ではない。今回も新情報は少ないのだがその少ないながら重要なことは「阪急ルートは急行(JRでは快速)中心の運行となる」ということ。

また春頃こんな記事があった。

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この記事には「大阪―新大阪間はJRの路線を使用させてもらう方向で話し合いを進めている。特急を走らせる計画だ」とある。

このことから大阪(地下ホーム)から新大阪まで特急(はるか、ラピート)はJRルートで、急行が阪急ルートと分担するのだろう。

特急は1分1秒を急ぐからロスのないJRルート、一方で急行は空港需要だけでなく短距離の地域需要もあるので十三経由で阪急各路線と難波、堺などの需要、あるいは阪急各線から新大阪への需要にこたえることになるのだろう。1時間に6本なら十三で阪急各線との接続も良いので利用しやすい。もしそうなら南海ルート4本、JRルート2本でJRルートは大阪駅折り返しも入って現行通りの快速4本になるのだろうか。

1つ気になるのは車両使用料の相殺のために「南海車ベースの阪急車両」が登場するのは報道通りあるとして、もしJR快速も阪急に乗り入れるなら「JR車ベースの阪急車両」も必要なのではないだろうか。阪和線は(特急以外は)現状223系または225系で統一されており、今後のホームドアの普及を考えると4ドア車は入れたくないはず。さまざまなドア配置に対応したホームドアもあるけど、開閉速度やコストの問題もあるからどの駅にも入れるわけにはいかないだろう。

また運賃や特急料金も新大阪側はJRルートと阪急ルート、関西空港側ではJRルートと南海ルートで差がつかないように調整しないと安い方しか利用されない。特に運賃面はそれが決まらないことには収入が読めず投資もできないので、実際はあらかた決まってるんだろうけど。

まあそれ以前に「本当に2031年に阪急ルートが間に合うのか」というのが最大の問題。なにわ筋線本体は大阪駅が今年すでにできており、JR難波もとっくの昔にできている。それに対し阪急ルートはまだ環境アセスメント、住民への説明なども何もしてないわけで。今後2024年問題もあり突貫工事もできない。既存路線や用地の地下を通るので用地買収はあまり苦労しないかもしれないが工事はどうするんだろう。

【2023/12/17追記】

その後2023/12/12付で日経からJRも阪急新大阪乗り入れの報道があった。

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SNSでは結構話題になって驚いている人もいたけど、すべて既報の範囲で目新しい情報は特になかった。夏の上記報道の信憑性(と阪急の本気度?)が少し上がった程度。

なにわ筋線も関空アクセス需要と阪和線や南海沿線需要だけでは採算が厳しいので阪急沿線から中之島や西本町への需要も取り込まないといけないということだろう。