ワイモバイル、UQモバイル新プラン発表

www.softbank.jp

news.kddi.com

ソフトバンクとワイモバイルからほぼ同じタイミングでほぼ同じ内容の発表があった。月20GBまでデータ通信を使えて10分の通話し放題を加えたら5000円以内のプランである。

前回書いたように月5000円で「ほぼ使い放題」を大手キャリアのサブブランドで実施することになった。ソフトバンクは本家でやるのかもとの予想もあったがワイモバイルでの実施となる。

月5000円は大手キャリアから見れば値下げだがサブブランドの視点では客単価向上となる価格帯。

総務省が「月5000円くらいで利用できるようにしろ、MNPの手続きを簡単にしろ、手数料も取るな、メールアドレスも維持しろ」と言ったことに対し、逆に「だったらサブブランドでもいいですよね。手数料もかかりませんし、メールアドレスも維持されるのなら」と居直ったようにも思える。

メインブランドとサブブランドとを行き来してのメールアドレスの維持は技術的にはわけないし、ワイモバイルはそもそもMMSの仕組み自体ソフトバンクの流用で、別のドメイン名にするほうがむしろ手間なくらいである。ただ技術的には容易としても、他のキャリア、特にキャリアメールをそもそも持たないMVNO系格安陣営の立場になると、サブブランドにそれをやられたらチートというのもあり、今までは自重もあったのだろうが今後はどうなるのか。総務省での会合ではサブブランドはズルいという議論がMVNO系から出てくるようだけど、携帯料金の相場を下げるにはある程度サブブランドの優遇も認めないと現実には難しいだろう。

今日発表のあったプランは即時ではなく実際に適用されるのは先である。(ワイモバイルは12月、UQは2月)ドコモの出方を待っているのか、メールアドレスの維持を具体的にどのレベルで実現するのかで(前回書いたように転送だけなのかアカウントを切り出せるようにするのか)総務省と折り合えるかなどあるのかもしれない。あまり急いで実施することはない性質の案件ではある。あと両者には「どのタイミングで5G対応のカードを切るか」というのもある。

ドコモはこれで月5000円で「ほぼ使い放題」での対抗を迫られる。サブブランドをつくるのか、NTTコミュニケーションズを合併してOCNブランドを利用するのか、それともドコモブランドのままやるのか。

携帯電話料金引き下げ策

このところ内閣やその意向を受けて総務省が携帯電話料金引き下げのためにいろいろ動いているが、はたしてそれが引き下げに寄与するのか。総務省のやってきたことはこれまでだいたい裏目に出ている。

今検討されているのは次のようなことである。

  1. 各種手数料の無料化または引き下げ
  2. キャリア移動後のメールアドレスの維持
  3. eSIMの普及
  4. 月5000円程度のプランの充実

いずれもユーザーにはありがたいことだがそれが直接携帯料金引き下げにつながるかといえば、今まで無駄に高く払っていたユーザーが5000円コースになる場合くらいだろう。個人的にはそれだって高いと思うのだが。

手数料を無料にして競争が激しくなるのか。以前はキャッシュバックでお金をもらえていたのだが(笑)、それでもキャリア乗り換えは一部のユーザーだけしかしなかった。(そのため極端な値引きやキャッシュバックが制限された。)手数料をなくすだけで競争が活性化するとは思えない。

メールアドレスは、まあ維持できないよりは維持出来るほうがいいとはいえるが、単なる転送で済ますのだろうか?それとも乗り換え先のシステムに乗り換え元のメールアドレスを載せられるようにするのか。それならキャリアメールを持たないMVNO系あるいは楽天には移せないからやはり転送方式?

メールアドレスを回線契約と切り離して(月に100~300円くらいの有料でも良い)デバイスフリー化するのがスマートではある。いまどきキャリアメールなんていらないよと言う人もいるけど、Gmailなどのパスワード再設定など認証用として役立つことはある。

いっそメールアドレスを使うキャリアメールは廃止し、すべて電話番号MMSまたはプラスメッセージ(MVNOにも開放するとして)に統一、ついでにSMSも無料化のほうが良いのではないかとも思うが。

eSIMの普及はオンラインで手続きを完結させやすくする意味ではよいけど(もちろんeSIMに関する手数料も無料化である前提で)、これもキャリアの移動活性化に即結びつくかといえば、やはり前の話に戻るが以前はキャッシュバックがあっても(以下同じ)

ソフトバンクやワイモバイルのようにSIMをキャリアの都合で何種類も分けておいて、それを変更するときに手数料取っていることを思えばeSIMの普及自体は歓迎できることである。ただそれ自体に集客の効果はないので、総務省もいったい何を思って勝手に期待を膨らませているのかと思う。

菅さんの値下げ要望へのアンサーとしての5000円プランの充実は、あまり素直に受け取れないところもある。何しろ最初に言い出したのがソフトバンクである。(苦笑)

現在ワイモバイルで安く使っているユーザー、あるいはガラケー巻き取り用のスマホデビュープランのユーザーの次のステップとして5000円プランに誘導し、さらに次は上位プランに誘導と考えているにちがいない。総売り上げが下がることはしないはずである。

こうなるとワイモバイルのスマホベーシックプランRはほぼ意味のないプランとなる。既存ユーザー向けにソフトバンクとの逆転現象は起こらないような調整はするだろうけど。プランMでさえ微妙な存在となる。楽天対策としてもプランS中心になるのでは。

やがては各キャリア使い放題7000円、ほぼ使い放題5000円、計画的に使えば3000円くらいの月客単価に収斂するようになるだろう。そうなるとMVNO系格安キャリアは対抗するのが厳しくなってくる。今もサブブランド系が強くて格安系は苦しくなってるわけで。

モバイルICOCA発表

少し前にこのようなネット上の記事があった。

japan.cnet.com

交通系ICカードをモバイル化することの難しさを書いた記事で、シェアNo.1のSuica、その次のPASMOが対応したがその次は難しいだろうとの予測である。それももっともで、シェアだけ見ればモバイルICOCAなんて難しいだろうと思う。この分野に詳しい人ほどそう思うだろう。

ところが本日JR西日本からモバイルICOCAに着手の発表。まだ先のことではあるけどまずはめでたい。

www.westjr.co.jp

この分野に詳しい者ほどモバイルICOCAは無理と思っていた。JR西日本だって最近までそう思っていたであろう(笑)

なぜここにきて動き出したのか。

JR西日本では今後次の動きがある。

また直接JR西日本に限ったことではないが以下の時代背景もある。

  • 大阪万博
  • MaaS時代
  • テレワークの普及による定期利用の減少

ただ交通用の電子マネーの媒体がカードからスマホに変わるだけなら大金を投じて開発しても得られる効果は限定的だがそれによって新たな価値が生まれるなら意義も出てくる。

特に今後北陸新幹線敦賀開業すると、みどりの窓口は減る一方なのに指定席需要が増えることも想定され、スマホ1つで完結するお客が増えてくれるほうが望ましい。最近よく言われるMaaSもセルフでなんでも自分でできる、手のかからないお客さんが増えてほしいというのが交通事業者の本音だろう。

また在宅勤務の普及により出社頻度が下がる人も増えると想定される。そのような利用者向けに定期とは別の割引はスマホアプリ経由のほうが柔軟にやりやすいだろう。

10月 社長会見:営業・輸送概況、安全安定輸送に向けた新幹線車両の新製、グループデジタル戦略:JR西日本

これを見ても明らかだが単に改札でタッチ、だけの構想ではないことがわかる。

あとはこのモバイルICOCAが関西私鉄陣営にも広がるかどうか。PiTaPaもアプリ次第では柔軟に拡張できる素性はあると思うが、協議会方式のため一度決まった規格を変えていくのがむずかしいと思われる。モバイルICOCAに相乗りしたい私鉄も出てくるのではないか。

楽天5G

楽天が値段2980円据え置きで5Gサービスの開始を発表した。もっとも値段は当面無料なので実際に適用されるのは先である。

携帯の料金というのは世代(2G、3G、4G、5GのGeneration)の変わり目で大きく変わってきた。3Gの普及とともにパケット定額性が導入されたし、4Gでは逆にギガ単価的な考えが導入され、半従量制になった。5Gでほぼようやく使い放題(完全にというわけではないが)の時代となる。使用量が増えることが見込まれるので、使い放題の5Gが少し値上げになるのはわからなくもない。実際大手キャリアは値上げ(キャンペーン扱いで一時的には据え置かれるにしても)である。

さて本題の楽天に戻ると2980円というのは5Gでは3980円にするつもりなのかな?とも思える値付けだったのでずいぶん思い切ったものだと思う。通話定額(RCSを利用するので大手キャリアの通話定額とは使い勝手は異なるが)も含めての価格であるが、通話は使わずにテザリングのみのために利用するのでも十分安いと思う。

ところで大手キャリアにとって楽天への刺客となっているUQやワイモバイルはこれでいつかは訪れる5G対応の際に値上げが難しくなった。もっとも5Gでの値上げは無制限の場合に使用量が増えるからであって、もともと容量制限のある場合に5Gだから値上げというのは理屈に合わないけど。「ギガ」の多いプランをつくって高めにして誘導していくというのはあるが、楽天によって「2980円」という基準ができたのでそれも難しくなった。対抗勢力は3000円前後の価格での満足度をいかに増やしていくかという競争になる。月の客単価自体は大きく変わることはないだろう。

iOS14でワイモバイルで使用するiPhone 11系列に変化

9月17日にiOS14がリリースされ、さっそくiPhone 11 Pro をアップデートした。特に支障なく動いている模様。

このiPhone 11 ProはSIMフリー版で、それにワイモバイルのn101 SIMを刺して使っている。購入以来画面左上のキャリア名が表示されるところにはSoftBankと表示されていたのだが、今回のアップデートによりY!mobileと変わった。XSやXRの世代まで及び新SEはY!mobile表示だったので、これにより現行モデルはすべてY!mobile表示になるのではないか。

iOS14にキャリアアップデートが含まれていたので同時適用になって変化したのだが、13まででもキャリアアップデートが降ってきて適用になるのかどうかは不明。

12シリーズはおそらくSoftBank表示になると思うけど、まだ未発売なので不明。5G用SIMじゃないと動かないということはないと思うけど。

大阪シティバス車両デザイン一新

citybus-osaka.co.jp

深夜バスの運行や空港バスへの参入以外に特に話題のなかった大阪シティバスにようやく大きな動き。

バスの車両デザインが大阪市営時代からの緑帯から、Osaka Metro Group全体のデザインを統括する奥山清行氏の監修によるデザインに一新。従来の緑も残して伝統に配慮しつつ、今までなかった青色も盛り込んでいる。

今年の新車から順次ということだが、既存車両はそのままなら全部置き換わるのに10年以上かかってしまうので、まだ長く使う車両は車内リニューアルのついでにでも外装もリフレッシュしてほしいところ。

今回発表されてるのは大型バスだけど、車両の大きさや形状によって新デザインにもいくつか派生バージョンが登場するのかもしれない。(特に今後登場するはずの自動運転路線。)

HP Envy x360 13 2020モデル購入

盆前に楽天で表題のノートPCが安くなってたので、前から欲しかったこともあり購入。最安モデルでHP直販なら70000円(のセール価格になってることが多い。定価はもっと高いみたいだけど)のところ楽天ならそれ以下になるクーポンが出ていた。しかもHP直販では別料金の中華Officeアプリもついてる。税抜きだと6万円台!外資のくせにお盆きっちり休んで待たされたけどようやく届いた。

今までAcerのSpin7というノートPCを使っていて、それも一桁万円で安いなと思っていたのだけど、今は一桁万円ノートPCの世界もレベルアップしてるようで恐るべきコスパである。Windowsの価格抜いたら本体いくらよ。

重さは1.2Kg程度。もっと軽量なノートPCもあるけど、これくらいならまあ困ることはない。画面は13インチで、ディスプレイやキーボード周りのぜい肉がないのでもっと小さく感じる。解像度がフルHDの1920x1080なのもいい。それより解像度高くても世に流通してる多くの動画の解像度を考えると意味ないかなと思っている。(文書作成より動画視聴のほうを重視してるので。)

このPCの何より良いところはディスプレイのきれいさで、色やコントラストが素晴らしい。sRGB100%というのがすごいのか、もっと上を見ればあるんだろうけど、この価格帯のノートPCでこの映りならほんと申し分ない。基本的にはビューワー的な用途が多いのできれいに見れるって大事。AMDのCPUということで内蔵グラフィックもRadeon。その面でもインテルより安くて良いのかな。

いままで使ってたSpin7ももったいないので、テレビにつないでデスクトップ機的な用途に回すけど、まああまり使わなくなるだろうなあ。