モバイルICOCA発表

少し前にこのようなネット上の記事があった。

japan.cnet.com

交通系ICカードをモバイル化することの難しさを書いた記事で、シェアNo.1のSuica、その次のPASMOが対応したがその次は難しいだろうとの予測である。それももっともで、シェアだけ見ればモバイルICOCAなんて難しいだろうと思う。この分野に詳しい人ほどそう思うだろう。

ところが本日JR西日本からモバイルICOCAに着手の発表。まだ先のことではあるけどまずはめでたい。

www.westjr.co.jp

この分野に詳しい者ほどモバイルICOCAは無理と思っていた。JR西日本だって最近までそう思っていたであろう(笑)

なぜここにきて動き出したのか。

JR西日本では今後次の動きがある。

また直接JR西日本に限ったことではないが以下の時代背景もある。

  • 大阪万博
  • MaaS時代
  • テレワークの普及による定期利用の減少

ただ交通用の電子マネーの媒体がカードからスマホに変わるだけなら大金を投じて開発しても得られる効果は限定的だがそれによって新たな価値が生まれるなら意義も出てくる。

特に今後北陸新幹線敦賀開業すると、みどりの窓口は減る一方なのに指定席需要が増えることも想定され、スマホ1つで完結するお客が増えてくれるほうが望ましい。最近よく言われるMaaSもセルフでなんでも自分でできる、手のかからないお客さんが増えてほしいというのが交通事業者の本音だろう。

また在宅勤務の普及により出社頻度が下がる人も増えると想定される。そのような利用者向けに定期とは別の割引はスマホアプリ経由のほうが柔軟にやりやすいだろう。

10月 社長会見:営業・輸送概況、安全安定輸送に向けた新幹線車両の新製、グループデジタル戦略:JR西日本

これを見ても明らかだが単に改札でタッチ、だけの構想ではないことがわかる。

あとはこのモバイルICOCAが関西私鉄陣営にも広がるかどうか。PiTaPaもアプリ次第では柔軟に拡張できる素性はあると思うが、協議会方式のため一度決まった規格を変えていくのがむずかしいと思われる。モバイルICOCAに相乗りしたい私鉄も出てくるのではないか。