楽天モバイルが自社エリアを整備するまでのKDDIローミング(パートナーエリア)は順次縮小していくということだったが、5月11日に新たな協定が発表され、これまでとは一転して積極活用とまではいかないにしてもローミングを維持してエリアによっては補完に使うという。
そうなるとKDDI電波(4GのプラチナバンドであるBand 18)につながる確率が上がるので従来の5GB上限では足りないので、料金見直しも必要になるだろうなと思った。楽天モバイルはまだまだ赤字続きで少しでも売り上げを増やしたいだろうから、1000円くらいの有料でKDDIローミング時の「ギガ」アップをするんじゃないかと予想した。
そして5月12日に新プラン Rakuten 最強プランが発表。値段据え置きでKDDIエリアの使用も含めて無制限。これは予想以上だった。
KDDIの場合、スマホ向きプランでは、テザリングも含めた無制限はpovoの24時間使い放題トッピングを毎日(実際は毎日でなくてもよいようだが)使い続ける以外にはなく。auで一番高い使い放題MAX ALL STARパックでもテザリングは80GB制限がある。
つまりKDDIとしては自社でも事実上存在しないテザリング無制限を他社には開放したわけで、いったい楽天とどういう契約をしたのか気になるところ。
KDDIとしたら、今秋に楽天が獲得確実な狭い帯域のプラチナバンドに満足せずもっとよこせ、既存キャリアは差し出せ、と言い出さないようにおとなしくさせたい意図もあるんでは。
KDDI直契約の場合はBand 18に限らず、Band 1やら3などにもつながってキャリアアグリゲーションで高速通信をしたり、本来はUQ WiMAXであるBand 41、あるいは新しい機種なら5Gにもつながるわけで、楽天に貸すのはその一部にすぎない(それも地域が限られる)そのため通信速度面ではあまりありがたみはなく、楽天本来の電波が来るならそのほうが速いはず。
KDDIローミングがBand 18に限られるとそこだけが混みやすい恐れもあり、auやUQ、povoのユーザーがとばっちりをうける恐れもあるがその点は対策されてるのだろうか。いや対策してるから楽天への貸し出しを強化するのだろうけど。KDDIは昨年大規模な障害を起こしたから通信品質に関することは慎重に判断するだろうし。5Gへの移行が進んで4Gに余裕が出てくるのをおそらく見越してるのだろうけど。
KDDIローミングが全国どこでもということはなく、良くて2020年の楽天モバイルスタート時くらい、悪くて今春の状態が数年維持されるくらい?
携帯の通信エリアは人口カバー率90%くらいまではトントンと行ってもそこからは費用対効果が悪く、楽天もそこで苦しんでるわけで地方と都心の隙間はKDDIにまかせ、自社はまだ少し残ってるまとまった面積の地域を埋めるくらいになるのかな。山間部とか放棄しそう。
これで楽天モバイルはメイン回線として1本だけ持つというにはまだ心もとないけど、サブとして、あるいはモバイルルーター的な用途には価格と質のバランスの良いものとなる。個人的には現在はLINEMOの20GBプランで満足だが3GBのプランに落として楽天モバイルとデュアルSIM運用にしてもいいかなと思ったり。楽天モバイルは無料時に一時期デュアルSIMで使ったが、その時もサブ回線としてなら問題なかったし。さてどうしようかなあ。