近鉄特急 けいはんな線、Osaka Metro 中央線乗り入れへ

www.yomiuri.co.jp

今朝の読売朝刊を見て驚いた。軌間幅は標準軌ながら近鉄の他路線との直通運転ができないけいはんな線と直通運転をするOsaka Metro 中央線を通って夢洲の新駅と近鉄奈良直通特急を検討するとのこと。

主に外国人観光客目当てだろうが夜は通勤特急としても活用できる。

読売だけでなく後追いで各紙同じ内容で報じているので、実現するかは別として検討は事実なのだろう。新春インタビューとして取材したときに出た話かもしれない。

近鉄けいはんな線奈良線は車両の検査のために線路自体はつながっている箇所はあるものの、規格面でいろいろ異なるためそのままでは直通はできない。解決するには以下の課題があり、それぞれ容易ではない。

  • 電圧の違い(近鉄各線は1500V、けいはんな線・中央線は750V)
  • 集電方式の違い(近鉄各線は架線方式、けいはんな線・中央線は第三軌条
  • 車両サイズの違い(近鉄他線よりけいはんな線・中央線のほうが短い。また中央線にはそのサイズに合わせてホームドアが設置される予定がある。)
  • その他、信号、保安等の設備

それらを踏まえると、地下鉄仕様、近鉄奈良線等の仕様の両方に対応した複電圧、架線、第三軌条両対応の集電装置、中央線に合わせた長さと幅、ドア配置(4ドア車と同じ位置でそのうち1または2か所のドアがあり、ホームドアはその際は一部だけ開くことができる必要がある。)など、かなり複雑なものとなる。パンタグラフは地下鉄トンネル内で邪魔にならないよう折りたためないといけないし、第三軌条用の集電靴も使わない区間ではひっこまないといけない。地下鉄内はバッテリーで走るのも手ではあるが地下鉄で取り入れるのはOsaka Metro側に抵抗があるかもしれない。

新幹線用としては断念したものの、近鉄で開発を継続するフリーゲージトレインと違って既存の技術でまだなんとかなる範囲ではあるが特殊装備の車両を小ロットで製造するのは費用がかかるものである。

簡単なやり方としては今のけいはんな線用車両の7000系を改造し(2、3両編成で十分だろう。通勤車の特急化改造は青の交響曲で前例がある)、奈良線内は電動貨車等で牽引するという手もある。まあ特急としてそれはみっともないので、新造または本格的な改造で直通するのだろうけど。

Osaka Metro夢洲には力を入れるはずで、協力はしてもらえるはず。Osaka Metro初の有料座席特急となる可能性が出てきた。