いまざとライナーはじまる

今年の4月1日より大阪市高速電気軌道 今里筋線の今里以南への延伸の需要測定のための実験として、BRTによる「いまざとライナー」の運行が始まった。

BRTといっても専用レーンはなく一部の停留所を通過するだけではあるが、もともと車線の多い道路を走ることもあり、通過運転時にはそれなりにBRT感はある。全車ハイブリッド車であり通常の大阪シティバス路線と乗り心地や音も違う。

ところがこのいまざとライナー、いろいろまだ謎が多い。

1)そもそもどこがこのBRTを走らせているのか?

車両内外には「大阪シティバス」との文字はあるのだが「Osaka Metro」の文字もmoving Mのロゴマークもない。車内放送でも大阪シティバスをご利用いただき、と言っていた。ところがこのBRTによる実験が始まる際のリリース文、公式サイトなどはOsaka Metroの文字が前面に出ており大阪シティバス色はない。

Osaka Metroから大阪シティバスへの委託かと思いきやそれなら大阪シティバスの文字はあまり目立たせないはず(例えば井高野営業所の大阪シティバス南海バスへの委託だが、車両に大きく南海バスとの表記はしない。)

おそらく車両購入、事業の企画などはOsaka Metro、実際の営業は大阪シティバスということになっているのではないかと思うが、そのへんのスキームを書いたちゃんとした書類がまだ見れていない。(なのでWikipediaのいまざとライナーの記述は先走りすぎで、[要出典]タグをつけたいところが多い。あまり信用しないのをおすすめ。)

2)鉄道乗りつぶしにおいて鉄道扱いするべきか?

実際のところは既に長居ルートもあべの橋ルートも乗車したのだが、鉄道乗りつぶしを考える上で対象にするべきか迷う方もおられると思う。

例えば気仙沼線大船渡線のような鉄道休止路線型BRTなら鉄道乗りつぶしの対象にしないという方はあまりいないのではないかと思う。廃線には(表向きは)なっていなくて線籍はあるがBRTで鉄道に準じた営業を行っているので、対象にしたくなる。

一方いまざとライナーは「鉄道系BRT」とは言えるかもしれないが、地下鉄路線をつくるかつくらないかの試行・先行型であり、まだ鉄道または軌道としての線籍はない。なので、今のところは「ただの路線バス」に過ぎないと個人的には考えている。また上記のように(おそらく)大阪シティバスの営業でOsaka Metro直営ではない可能性が高い。

ただ地下鉄今里(北)停留所には「今里駅」との表示があるなど、鉄道っぽさはあり、特別扱いしたい気もしないでもないが。