携帯大手3社 +メッセージ(RCS)導入

www.nttdocomo.co.jp

ドコモ、auソフトバンクの携帯MNO大手3社が合同でRCS準拠メッセージである 「+メッセージ」の導入を発表した。

SMSやMMS同様電話番号でやりとりできるメッセージだが、期待していたところがあったので少し物足りなさが残る発表であった。

物足りない点について。

  1. SMSは従来通り一通3円であること。
  2. ワイモバイル、UQモバイルなどいわゆるサブブランドやMVNOなどにはまだ未開放なこと。(これは時が解決すると思う。)
  3. 従来端末と互換性のあるSMSやMMSに状況に応じて自動変換する仕組みが発表を見る限りなさそうなこと。

特にSMSが従来の料金のままというのは、RCSより劣る機能のものが高いという、消費者感情的に納得できないものがあり、プロトコル上かかる経費もあろうがそこはどうせ今後利用は減っていくものであるし無料化あるいは定額化して、電話番号利用のメッセージは全て料金気にしなくてよいという安心感を与えるべきであろう。(もしRCSの通じない相手の場合にSMSとなって、従量制のお金がかかるとなると安心してRCSすら使えなくなる。)でないとRCSが普及しない。だいたい今の携帯料金、よりコストのかかる音声通話が定額で、それよりはコスト安そうなSMSが高いというのはおかしいのではないか?

SMSが無料化してくれたら電話番号メッセージを安心して使えるので、普及も加速し、それを利用したビジネス用途(もちろんそういう用途ではそれなりのお金を企業からとるのはいい)も開けてくる。電話番号がメールアドレスとほぼ等しい価値を持つようになるので、例えばお客様センターや通販への申し込みに対してRCSで返答するというのが簡単にできるようになる。(今もSMSでやっているところはあるが文字数制限のためあまりたいしたことはできない。)なんらかのサービスのユーザー登録に携帯キャリアのメールアドレスを求める必要性もなくなるわけである。

MVNOユーザーにとってはこれが普及したらいわゆる「キャリアメール」の必要性が薄まるわけだし、またメールアドレスを変えたくないので携帯キャリアを変えないという人にもメールアドレスの必要性が薄まればキャリア変更の流動性も高まる。ここは広く開放して普及させてほしいところ。

本日よりOsaka Metro、大阪シティバス営業開始

大阪市交通局による地下鉄、バスの運営は昨日平成30年3月31日で終わり、今日から大阪市高速電気軌道株式会社及び大阪シティバス株式会社による運営となる。

それにあたって、長年使われてきた用語にも変化がある。

一般に鉄道においては、旅客から徴収するお金のうち、基本料的な性格のものを「運賃」、オプション料的なものを「料金」と言うことがほとんどだが、大阪市交通局では「運賃」のことも「料金」と称していた。おそらく条例上そうなっているからなのだろうけど、株式会社化によりこの用語が他社同様の「運賃」と変わった。

www.osakametro.co.jp

おそらくほかにも用語の違いはあちこちに出てくると思うので、観察してみたいと思う。

Osaka Metroの「大阪地下鉄」表記

いよいよ大阪市交通局大阪市高速電気軌道大阪シティバスへの移行が10日後に迫っており、そろそろ掲示物などに準備が見られるようになってきた。

そこで気になるのが「大阪地下鉄」表記が多いこと。というかOsaka Metro表記(の準備)をあまり見ない。駅の入り口の表示くらい。

4月以降にも引き続き掲示されるであろうポスター(桜関係など)に「大阪地下鉄」の文字がある。

また他の私鉄管内の案内にも「大阪地下鉄」表記が増えているようである。

またOsaka PiTaPaの入会案内には「大阪地下鉄・バス」という表記がある。(大阪メトロサービスと併記。なお大阪メトロサービスは前からある会社であり、以前から併記されている。今後は地下鉄会社の子会社となる。)市営交通に対する概念として「大阪地下鉄・バス」という言葉もあるのか。なお「大阪バス」は他にそういう事業者があるから名乗ることはできない。

ポスター上の表記はおそらく過渡期の現象で、今後はOsaka Metroのロゴやマークがつくのであろうけど、切符は「大阪地下鉄」表記らしいし、同じものを示すのに複数の表現があるというブランド定着の上ではあまり好ましくない状態がしばらく続くのではないか?

Osaka Metro表記はデザイン性が必要なところだけにして、通常は「大阪地下鉄」で統一してもいいと思う。「大阪メトロ」表記は(子会社の大阪メトロサービスを除き)なさそう。

【2019年11月追記】消費税増税のタイミングで、乗車券や定期券の券面も大阪地下鉄からOsaka Metro表記に変わったようである。

BSの帯域削減

今年早々にBSの右旋4K、8K放送のために、それを行う放送局は電波帯域を捻出するため、既存チャンネルの放送帯域の削減が始まっている。

これによってBSのビットレートはほぼ2/3となり、地上波とほぼ変わらなくなった。またこのビットレートではフルHD放送を行うと動きのある映像が破綻しやすいため、NHK BSプレミアムを除いて解像度も地上波並に落とされている。

デジタル放送の画質はまだ発展途上のところもあり、マスターやらエンコーダーやらによる影響も大きいらしく、今まで帯域を贅沢に使っていた時代でも設備が後から登場した地上波より古いため、地上波並やそれ以下だの言われる画質のところもあったが、最近はマスターやエンコーダーが更新されて高いビットレートに見合った画質の局が増えてきたところに今回の帯域削減であり、もったいない気がする。。新しいエンコード方式を取り入れたため影響は少ないという局もあるが、なかには目に見えて劣化したところもあるようだ。

地上波でも一部局(サンテレビなど)はフルHDのところもあり、BS民放と同一番組が放送されることもあり、地上波のほうが高解像度という逆転現象が生じるケースも出てきている。(高解像度だから高画質とは限らないのだが。特に動きのあるケース。)

こうなると別に4Kは要らなくても「少しでもマシな2K」を求めて4Kを録画して2Kで圧縮するニーズも出てこないだろうか?(4Kと2Kで同じ番組が放送されていて、録画の制限が現状と同レベルの場合。4Kのままでもよいけどディスク容量などもあるので。)これも放送局側での収録や処理、レコーダーの性能などによってどっちがいいかは一概には言えないだろうけど。

Osaka Metro 連絡定期券IC化

大阪市交通局|地下鉄・バスIC連絡定期券等の発売開始について

大阪市交通局|ICカードによる連絡定期券の発売開始について

昨年以来大阪市営地下鉄単独でのICOCA定期は使えるようになったものの、ようやく民営化同日の4月1日より地下鉄バス連絡定期、バス単独定期、私鉄連絡定期もIC対応となる。

このリリースにある券面の画像に、昨日のOsaka Metroの愛称発表に匹敵するかそれ以上に大きい面もある情報が含まれている。

まず、券面に大阪地下鉄表記があること。昨年の朝日新聞報道で、券面に大阪地下鉄表記を使うことが交通局より示唆されており、その通りになったわけだが、これで「大阪メトロ」表記が使われる可能性はほぼなくなり、Osaka Metroまたは大阪地下鉄を状況に応じて使い分けることになるのではないか。昨日発表しなかったのはOsaka Metroより大阪地下鉄のほうが報道によって独り歩きするのを避けるためか?

そしてそれ以上に重要なのがバスが関係する定期の券面にある「大阪シティバス」の文字と「大阪シティバスの規則等で定める路線ではご利用になれません。」の文字。

大阪シティバスが市バスの路線運営を継承するのは周知のとおりだが、ここは一部営業所の市バスの運行受託以外に今でも自前でUSJIKEAへの路線を持っており、それは市バス全線定期券やPiTaPaのマイスタイル、敬老優待乗車証などの対象外であった。「大阪シティバスの規則等で定める路線」がそのことを示しているのは明らかである。なので、旧市バス事業とUSJIKEAへの路線の区別のために前者に何か愛称などが必要なのでは?と以前書いたのだがそれは見送られるようだ。手間的には後者に何か別の愛称つけるほうが楽とは思うけど、何か策はないのだろうか?また今後大阪シティバスが新規路線を設置する際に、旧市バスに準じた路線となるのか、IKEAUSJへの路線と同様の扱いになるのかは気になるところ。おそらく市からの補助とかも関係するので、自前でやる新規路線は旧市バスとは別扱いになることも出てくるのではないか?

【2019年11月追記】消費税増税のタイミングで、乗車券や定期券の券面も大阪地下鉄からOsaka Metro表記に変わったようである。

 

大阪市営地下鉄新会社の愛称がOsaka Metroに

大阪市営地下鉄の新会社、大阪市高速電気軌道の愛称はそろそろ決まるかと前回書いてたけど、あくまで内部での決定で、市会の根回しなどを経て2月ごろに報道でバレる流れかと予想してたのだが、いきなり今日発表で驚いた。市長会見のある日なので、何かしら動きや報道はあるだろうとの予想はあったけど。決定した名称もOsaka Metroで、日本語で書けば大阪(またはおおさか)メトロで、東京メトロ同様だから新鮮味はなく、広告代理店をコンペで選んでまで決める名称かな?という思いはある。

ただ意外だったのが完全にアルファベット表記で、大阪メトロとの表記は今日の発表を見る限りはないこと。またアルファベットを略してOMなどの表記もない。民営化案件でありがちなアルファベット略称パターンかと想像してたので、略さないアルファベット表記はとても意外であった。交通局内でも意外性派と無難派がいて双方の顔を立てたのかと思ったり。民営化の最大のメリットは副業への進出にあるので、あまり地下鉄っぽいSubwayよりは抽象性の高いMetroのほうが合うのかなとも思う。

大阪市営交通(地下鉄、市バス)の今後について

大阪市交通局が運営する大阪市営地下鉄及び大阪市営バスが今年の3月31日をもって大阪市交通局による運営を終え(条例上は廃止となっている)、地下鉄は大阪市が全額出資する大阪市高速電気軌道株式会社に、市営バスは大阪シティバス株式会社に移管されることになる。(いわゆる民営化だが、当面市の出資なので株式会社化という表現も使われる。)なお大阪シティバス株式会社は今は大阪市の出資する外郭団体的な会社であるが、4月からは大阪市高速電気軌道株式会社が7割ほど、大阪市が3割ほど出資する会社となる。直接間接問わず全額大阪市の出資であるが、地下鉄新会社はいずれは上場する可能性もあるし、経営に多少の不安要素のあるバス事業は市の直接の関与を残しているのだろう。上下分離と言ってよいのかはわからないが、バスの営業所、操車場、車両などほとんどの資産は地下鉄会社である大阪市高速電気軌道持ちとなっており、バスは身軽な運営となる。

現在の準備としては、地下鉄事業の愛称、コーポレートスローガンの策定がまず最大の作業で、これが決まらないことには印刷物など諸々の資材をつくれない。この作業はジェイアール東日本企画が請け負うことになっている。昨年末の段階では候補は絞られているとの市長談話もあったが、そろそろ決まるだろう。公式な発表は4月1日にセレモニーにてということだが、実際はそれ以前に市会議員への説明なんかもあろうし、そろそろいつ報道があってもおかしくないのではないか。

当たらないにしてもどんな愛称になるのかを予想すると、社名が超お堅いので、アルファベット交じりの愛称になる可能性もあるのではないかと予想している。何しろその典型例であるJR東日本系列の会社が命名するのである。民営化あるいはそれに近い案件での名称はアルファベット略称になることが多いし(NTT、JR、JT、UR、NEXCOなど)、ロゴもつくりやすい。つくばエクスプレスのように堅い正式社名(首都圏新都市鉄道株式会社)+愛称(つくばエクスプレス)+アルファベット略称(TX)という例もある。まあ第3セクター鉄道にありがちな変な名前にはならないでほしいところ。なお、co.jpドメインはosaka-subway.co.jpで押さえられており、そこには英語社名としてOsakaSubway co., Ltd.と記載されている。英語社名は愛称とセットでジェイアール東日本企画に考えるように発注されている。co.jpドメインは乱獲可能なcomや汎用jpと違ってむやみに取れないということは念頭に置く必要がある。また決まった愛称などの用語が今後商標出願されるはずだし、また可能性のあるものはすでに早い段階で出願されている。今後はそのルートで漏れてくることもあるだろう。

また入札の発注計画を見ていると掲示用の時刻表や初電終電掲示の作成という案件もあり、新ロゴを入れたものをつくるのかもしれないが、それならシール貼りでもよさそうだし、最後のダイヤ改正が年度末にあるのかもしれない。

地下鉄はまああまり心配していないし、むしろ他の私鉄からしたらチートそのものが爆誕するわけだが、心配なのはバスのほう。バスも住之江や霞町の開発の失敗を押し付けられて事業としてそんなに悪い状態とは思えないけど、かといって人口減時代に単独で採算を維持していくのはやはり難しいであろう。(バスは地下鉄より郊外寄りである分、都心回帰の恩恵を受けにくい。)平松市長時代に(よく勘違いしている人がいるが、橋下時代ではない)策定されたアクションプランに基づき、路線の統廃合が2010年ごろから進み、例えば101,102,62号系統が統合されて大阪駅前~住吉車庫の長い経路の現62号系統になったりした。この系統なんてもっと増発してよさそうに思うけど、10年は路線網現状維持の公約が出されたため、あまりテコ入れもできないだろう。何しろドライバーの確保も難しい時代。何かを減便せずして増便はできないだろうし。世が世なら高速バス進出などもしただろうけど同様の理由で今は難しそう。ところで一つ気になるのは、愛称を決めることになっている地下鉄と違ってバスではそういう話がなさそうなこと。大阪シティバスという会社名がそのままサービス名となるのか、何か愛称を使うのか。というのも大阪シティバス直営路線は今すでにあり(USJIKEAへの路線)、市からの継承路線とは運賃制度も異なる。識別のためにも名称は必要なのではないかと思うのだが。

(追記)その後発表されたバス・地下鉄連絡のIC定期の券面の画像より判明したが、大阪シティバスという名称がそのまま現市バスの路線網を表す呼び方となり、USJIKEAへの路線は但し書きで示される例外となった。今後例外的な路線が増えなければ良いのだが。(市外進出や高速や観光バスならわかるけど。)