JR西日本「京阪神都市圏」運賃見直し

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JR西日本京阪神都市圏(とリリースのタイトルにあるのでその用語を使う)の運賃が2025年4月から改正されることになった。これまで国鉄から継承したJRの運賃は大阪環状線電車特定区間、幹線(および地方交通線)の区分があったが、このエリアはレート(賃率)を若干上げた、新たな「電車特定区間」で統一される。

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区間によって異なっていた京阪神都市圏の運賃が統一の方向であることは上記のように2022年の時点で予告されていたことである。

具体的には大阪環状線の区分がなくなり、電車特定区間のエリアが広がるかわりにレート(賃率)が少し上がる。おそらく旅客営業規則の第78条が複雑になって東京と大阪で別々に記載されることになりそう。値上げになる区間と値下げになる区間が発生するが、全体として増収にならないと、国土交通省に提出された認可申請書に書かれている。(以下の収支計算イメージ)

新規に電車特定区間となる区間の値下げを大阪環状線と既存電車特定区間の若干の値上げで補ってトントンになる。

増収にならないのになぜこういう運賃制度の見直しをするのかだが、一つは制度を簡単にすることで今後のシステム改修コストを下げる意図があると思われる。まあ運賃テーブルが1つ減ったところでしれてるかもれないし、電車特定区間が東京と大阪で賃率が変わるので全国的にみれば(マルスの改修面では)かえって複雑化かもしれないが。

もう一つは今後郊外区間沿線の人口が急激に減っていく一方で大阪都心に近い方は人口減がゆるやか(減らないことはないだろうけど)なので、人口を考慮したら長い目では増収になるかもしれないということ。まあだとしたら今回の電車特定区間の値上げ幅は少しなのでもう少し上げた(幹線に近いレートで)ほうがよかったのかも。いや旅客が値上げを求めるのはおかしいけど、最近の行き過ぎた窓口閉鎖や減便を見るとちゃんと対価は取っていいからやるべきことはやってよ、という気にもなる。