光でお手軽な4K 8K対策

https://www.sptvjsat.com/load_pdf.php?pTb=t_news_&pRi=1228&pJe=1

スカパーJSAT、NTT東西の連名でフレッツテレビ等におけるBS、CSの4K、8K左旋放送の送信が発表された。

なお従来の衛星放送と同じ周波数帯域を使う右旋チャンネルの4Kへの対応はすでに昨年発表済みである。4K、8Kの普及において最大の問題は今までにない高い周波数を使う左旋の存在。解像度が高いのが問題ではない。周波数が高いのが問題なのである。

無料の主要なチャンネルは右旋なので需要の9割は右旋でまかなえると思う。左旋は有料チャンネルとNHKの8Kが入る。そんな限られた需要のためにアンテナや同軸ケーブル、ブースター、分配器など総取り換えできるかよ!というのが普及への問題点である。特に集合住宅の場合、地デジ対策で数年前に総取り換えしたところも多いだろうし、15年周期くらいで変える計画の機器だろうから置き換えにはまだ早い。

光回線を使うと解決できるのかと言うと、V-ONUから取り出した信号が高い周波数のままでは宅内の配線や共聴機器はやはり総取り換えとなってしまう。アンテナがいるかいらないかだけの話なら光を使うメリットは薄いわけである。(雨や雪に多少強いというのはあるが。)

上記のスカパーJSATとNTT東西の発表した方法は本来高い周波数である左旋用の電波の信号をUHFの空き周波数帯域に変換して通し、テレビの手前に元の周波数に戻すアダプタを入れるというものである。これならテレビの手前の50cmか1mくらいだけ最新のケーブルを使うだけでよい。これくらいならテレビに付属してるかも?

既に高い周波数に対応した同軸ケーブル、ブースター、分配器などが十分普及した状態であるなら周波数変換など不効率なだけだが従来の設備を生かせるこの方式は部屋の多い住宅やマンションなどには救世主となるだろう。マンション一括導入の場合、V-ONUは建物に1つで、建物内は同軸ケーブルで各戸まで配線している物件がほとんど。(各戸まで光というのは新しいところや大型物件中心。)従来のBS、110°CSに対応できている共聴設備があればいい。CATVのBS受信で用いられるトランスモジュレーション方式と違って専用STBも不要なので便利である。

その他の4K 8K対策としてはひかりTVみたいにフルIP化してしまうというのもある。(誤解している人が極めて多いがフレッツテレビとひかりTVは全く違う方式である。上記のようにフレッツテレビは電波信号使う方式でありIP方式ではない。)これだとかなり速く安定したネット回線もいるし複数のテレビで見るにはそれぞれにSTBいるけど、周波数の割り当て関係なくチャンネル増やせるメリットもあるのでどっちの方式が普及するやら。Netflixみたいな配信があればそれでいいや、って人も多そう。画質気にする先進ユーザーほど配信使いこなすだろうし。

(余談だけどフレッツテレビのごく初期の段階は通常BSもこんな感じで低い周波数に変換して流していた時代があったような。)