nineをつくっていたメーカーが

初代nineが好調だったときにいろいろ手を広げている様子があって、おいおい大丈夫か?と心配していたらこうなった。あまり手を広げず細々とやっていればよかったのかもしれないけど(そのためのW-SIMである)、「これは売れる」と思って設備や人員を広げ、nineシリーズ依存度を高めすぎたようだ。

良い機種ではあるけど、ウィルコムのローエンド機(ハイエンド機もあまり大差ないけど)の客層は色やデザイン、価格しか見ていないので(それくらいしか比較項目もないけれど)他に類似機種が出てくればつぶしあいになってしまう。昨年以来京セラのHONEY BEEシリーズが出てそればかりが売れるという状況になって、nineシリーズは後継機種も含めてあまり売れていない様子だった。BAUMもW-VALUE SELECTで2年使えば安く見えるので、他のメーカーは苦しいのではないかな。ドコモでも2年分割払いが中心になって700シリーズが売れず900シリーズばかり売れるようになって結局ラインナップが再編されたけど、ウィルコムでも今後同様の現象は起こるはず。好調HONEY BEEだってやがてBAUMシリーズと統合されるかもしれない。新規が落ち込んでいて、機種変更中心の需要になると前の機種よりはいいものをと思うだろうし。

もちろんこのメーカー(もはやメーカーではなくなるみたいだけど)には実力を過信して特定の機種に依存した事業計画を立てた責任はあるんだけど、メーカー間のつぶしあいを防げなかったという点ではウィルコムも反省するところがあるだろう。メーカーが減るというは弱小通信キャリアには痛いことだし、今後のメーカーの新規参入にも影響する。「結局親会社の京セラさんが独り勝ちするシステムなんじゃないの?」と言われかねない。

(2010年4月追記)で、ウィルコムが再建状態になって京セラは親会社としてかなりの損失を受けた。今後は資本的な縁は切れるけど一メーカーとして端末や基地の供給はするのだろうか?京セラが「もうやめた」となると上記KESをはじめ他メーカーのシェアを壊滅させた後だけに非常に厳しいことになるが。メーカーを育てず1社依存し続けたツケがここにきてでてきそう。